将来の高潮からホランド・トンネルを守る

ホランド・トンネルは、ニュージャージー州とマンハッタンを結び、1日約90,000台が通行する、米国有数の交通量を誇る道路トンネルです。ハリケーン・サンディによる甚大な浸水被害を受け、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社は、日常の運用を妨げることなく、この重要な交通路を将来の高潮から守るため、大規模な防災機能強化事業に着手しました。
お客様
ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(PANYNJ)は、米国有数の交通量を誇る道路トンネル、ホランド・トンネルを所有・運営しています。ニュージャージー州とマンハッタンを結ぶこのトンネルには、1日約90,000台が通行し、地域の交通網において重要な役割を果たしています。

課題
2012年10月、ハリケーン・サンディにより、ホランド・トンネルはその歴史の中でも特に深刻な浸水被害を受けました。約3,000万ガロンの汽水と海水がトンネル施設に流入し、北側坑口付近では、路面上の水位が最大9 ftに達しました。
浸水により、電気・機械設備、通信・照明設備、排水ポンプ施設、火災警報設備、構造部材に広範な損傷が生じました。トンネルは約10日間閉鎖され、通行料金収入が失われるとともに、ニューヨーク都市圏全体に大きな混乱が生じました。
PANYNJは、交通を制限せず、日常のトンネル運用を妨げることなく、将来の高潮に耐えられる長期的な浸水対策を必要としていました。
ソリューション
総額3億6,420万米ドルの改修・気候変動適応事業の一環として、AquaFenceは設置式止水壁を延長約1,500 ft供給しました。止水壁の高さは4~9 ft、モデルはV1200~V2700で、各箇所の地形と必要な止水水位に応じて選定されました。
AquaFenceシステムは、常設のコンクリート止水壁と一体化されました。荒天が近づくと、設置式止水壁で常設構造物間の開口部を閉鎖し、連続した浸水防止の囲いを形成します。平常時は止水壁を保管するため、トンネルへの通行を制限しません。
この対策は、相互に連携する3層の保護戦略の一部を構成しています。

常設止水壁と設置式AquaFence止水壁が、一次防御を担います。
大容量ポンプが、保護区域内の雨水や滞留水を排出します。
トンネル坑口の柔軟な膜式止水設備が、最後の防御線となります。
連携
AquaFenceは、総合建設業者Tully Constructionと約3年間にわたり緊密に連携し、止水壁システムの納入と統合を進めました。
設置式止水壁が、常設止水壁、ポンプ設備、二次的な膜式止水設備と円滑に連携して機能する必要がありました。この一体的な取組みにより、トンネルへのアクセスと日常運用を維持しながら、各対策を総合的な保護システムとして機能させました。
成果

ホランド・トンネルでは、将来の沿岸洪水や高潮に対する備えが大幅に強化されました。
完成した対策は、次の効果をもたらします。
重要な交通インフラの保護
大規模な暴風雨に先立つ迅速な設置
平常運用時の制限のないトンネル通行
壊滅的な浸水被害リスクの低減
気候関連の洪水に対する長期的な対応力の向上
常設インフラと柔軟な設置式の保護設備を組み合わせることで、PANYNJは日常運用を損なうことなく、地域で最も重要な交通資産の一つを強化しました。